円筒錠は、その構造の手軽さとコストパフォーマンスの良さから、私たちの身の回りの様々な場所で活用されています。防犯性が最優先される玄関ドアなどにはあまり向きませんが、屋内のプライバシー確保や簡易的な仕切りとして非常に有効です。具体的にどのような場所で円筒錠が活躍しているのか、いくつかの事例を見ていきましょう。最も一般的なのは、一般住宅の室内ドアです。特に、寝室や書斎、子供部屋など、個人のプライバシーを確保したい部屋のドアによく用いられます。内側からプッシュボタンやサムターンで簡単に施錠でき、来客時や集中したい時などに役立ちます。外側からは非常時にコインなどで解錠できるタイプ(間仕切錠)を選べば、万が一、中で人が倒れたり、子供が閉じこもってしまったりした場合でも安心です。また、トイレのドアには、使用状況が外から一目でわかる表示錠タイプの円筒錠が最適です。赤(使用中)と青(空室)などで表示が切り替わるため、プライバシーを守りつつ、他の人が間違って開けようとすることを防げます。洗面所や脱衣所などにも同様の理由で採用されることがあります。住宅以外でも、円筒錠は多くの場所で利用されています。例えば、オフィスビルや店舗などの間仕切りドアです。会議室や役員室、スタッフルームなど、部外者の立ち入りを制限したい場所や、機密情報を扱う部屋のドアに設置されます。外側から鍵で施錠・解錠できるシリンダー錠タイプが選ばれることが多いですが、あくまで簡易的なセキュリティ対策としてであり、より重要な部屋には別の錠前と組み合わせて使うこともあります。また、比較的簡易な倉庫や物置のドアにも円筒錠が使われることがあります。頻繁に出入りするものの、厳重な管理までは必要ないといった場合に、手軽に施錠できる円筒錠が選ばれます。ただし、屋外に面した場所では、雨風に強く、ある程度の防犯性を持つ製品を選ぶことが望ましいでしょう。
こんな場所に最適円筒錠の活用事例紹介