中古車を購入する際、車の状態や走行距離、修復歴などを入念にチェックするのは当然ですが、意外と見落としがちなのが「キー」の状態と数です。車のキーは、単なる付属品ではなく、車のセキュリティや利便性に直結する重要な要素です。中古車選びにおいて、キーに関してどのような点を確認すべきか、そのポイントを解説します。まず最も基本的な確認事項は、キーの本数です。新車時には、通常、メインキーとスペアキーの計2本が付属しています。中古車の場合でも、原則としてこの2本のキーが揃っているかを確認しましょう。もし1本しかない場合は、前の所有者が紛失したか、あるいは業者が紛失した可能性があります。スペアキーがないと、万が一メインキーを紛失したり、故障したりした際に非常に困ります。スマートキーなどの場合、後からスペアキーを作成するには数万円以上の費用がかかることも珍しくありません。キーが1本しかない場合は、その理由を販売店に確認し、価格交渉の材料にするか、納車までにスペアキーを作成してもらうように依頼しましょう。次に、キーの種類と機能を確認します。その車が本来どのようなキーシステムを採用しているかを把握し、付属しているキーがそのシステムに対応しているか、そして正常に機能するかを実際に操作して確かめます。キーレスエントリーであれば、ボタン操作でドアのロック・アンロックができるか。スマートキーであれば、キーを携帯した状態でドアハンドルでの解錠・施錠、エンジンのスタートボタンでの始動ができるかを確認します。スマートキーの場合は、電池の消耗具合も気になるところです。反応が鈍い場合は、納車前に電池交換を依頼すると良いでしょう。イモビライザー搭載車の場合は、付属しているキーが全て車両に正しく登録されているかも重要です。もし、登録されていないキーが存在すると、エンジンがかからない可能性があります。確認は難しいかもしれませんが、信頼できる販売店であれば、そのあたりもチェックしているはずです。また、キーシリンダー(鍵穴)の状態も確認しておきましょう。ドアやイグニッションの鍵穴にキーを差し込み、スムーズに回転するかを試します。引っかかりがある場合は、シリンダー内部の摩耗や損傷の可能性があります。特に、キーが1本しかなく、そのキー自体の摩耗が進んでいる場合は注意が必要です。